2018年MSCスプレンディダ号乗船レポート04(抜港について)

現在、長崎沖を通過中のMSCスプレンディダ号からブログを書いています。

ウラジオストクの寄港地観光から帰り、ディナーをレストランで食べている時重要な放送が流れました。

台風13号接近中により、最後に機構予定だった石巻の寄港を取りやめ、このまま横浜に戻ることになりましたという内容です。
寄港地を天候などの都合によりスキップすることを「抜港(ばっこう)」といいます。

終日航海日が1日増えたわけです。
船内には「えー!」というがっかりした声が響きました。
しかし、ちょっとした天候の崩れ程度では問題ないのですが大型の台風の場合何があるかわかりません。
乗客の安全を第一にする場合、船側としても苦渋の決断です。
私も過去数回抜港を経験していますが、船旅のお客様の特徴としてあるのはみなさん気持ちが落ち着いていらっしゃるということです。

がっかりした声の後、周囲のテーブルからは

「じゃあ、船で何して遊ぼうか?」

とか

「しょうがないわよね~。どんなたびでも台風が来たら大変よ!」

といった明るい声が聞こえてきました。
このことで騒いでいる感じの方は私が見る限りいらっしゃらない印象でした。

石巻に行けないのは本当に残念ですが、いろいろなことがあるのが人生なのかもしれないとやたら大きな気持ちになるのがクルーズ旅行の醍醐味とも思います。
石巻では個人手配で観光を予定していたのでウラジオストクからの出港するまでに石巻の方々に連絡をして状況をなんとか連絡をしたいと思いかなり焦りました。
電話がつながりましたが石巻の方々はすでに台風の情報から寄港は難しいだろうと思っていたようで、

「台風のときは危険ですから、仕方ないです!船の上で楽しめる日が1日増えたと思って思い切り遊んでくださいね!!」

とお優しい言葉をかけていただき、本当にありがたかったです。

こうしたこともあるので個人で手配されているものがある方はご連絡先の確認と海外からの電話のかけ方をご契約されている携帯電話キャリアのウェブサイトなどから予めチェックなさるといいと思います。

というわけでウラジオストクから石巻に行くルートは九州をぐるり回って南から横浜に戻るルートに変更となり、なんとなく日本一周の旅になりました。

進路変更の案内

 

抜港になった場合ですが、一人あたり50ドルのオンボードクレジット(船内で使えるお金)が付与されます。
有料レストランに行ったり、お土産を買ったり、飲み物を飲んだりと船上での1日を普段より豪華に過ごすのがいいと思います。
使わなかった場合も、毎日のチップなどで消化されますので無理に使い切ることはありません。

8月10日からのクルーズは何も影響がないことを心から祈っています。
ただ、何か会った場合もそれを楽しむココロの準備があると良いかなと思います。実際に楽しめるように船側も配慮してくれます。
ホテルごと進路変更ができるのが船旅の強みの一つでもありますから・・・。

ABOUTこの記事をかいた人

漫画家・イラストレーター。 早稲田大学卒業後(株)三越勤務。結婚を機に退職した後ソニーに勤務。 エンターテインメントロボットAIBOのWEBサイトデザイン・制作を中心にWEB関連の業務を歴任。